ユーロを買戻す動き

先週は米国景気回復への不透明感からドルが軟調となり、ユーロを買戻す動きが顕著になった。
月曜日は米国市場が休場のため、静かな立ち上がりとなった外国為替市場だが、6日火曜日の東京時間には、豪準備銀行(中央銀行)による政策金利の発表があり、政策金利は予想通り据え置き(4.5%)となったが、「CPIは短期で3%を多少上回る可能性がある」などの当局声明内容が好感され、リスク選好の動きが拡大しはじめた。
そんな中発表されたISM非製造業景況指数(6月)では、結果が53.8と市場予想(55.0)を大きく下回ったことでドル売りが加速、ユーロドルでは一時1.2660付近の高値、ドル円では87円35銭付近の下値をつけることになった。
同日は、中国農業銀行の過去最大規模となる 220億ドルの新規株式公開 (IPO)を控えて、NYダウが一時170ドル高となるなど、リスク選好を後押しする材料が相次いだ。
7日には欧州ストレステストの概要がポジティブな内容で発表されると、スペインの金融株も前日比+6.37%と大幅高となり、欧州の株高をリードすることとなった。

 

欧州の株高は国金融株上昇の支援材料ともなり、NYダウは、終値ベースで10000ドルの大台を回復して引けるなど米国株は大幅高となった。

 

この結果、これまで相対的な安全資産として買い進まれていた円の売りが加速し、ユーロ円は111円手前のレベルへ、ドル円は87円75銭付近まで上昇した。
ユーロ/ドルも1.2665付近まで上昇することとなった。

 

8 日もユーロ、豪ドルを中心にリスク資産への投資意欲が強まり、6月の豪雇用統計が市場予想を上回る結果となると豪ドルは上昇、ニューヨーク時間には対円で 77円90銭付近、対ドルで0.8790付近の高値をつけた。
この日発表された国の新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数はいずれも市場平均予想を下回った。
週次発表の指標ながら市場のリスク選好投資を後としし、米長期金利上昇にともなって円は一段安、ドル円は88円65銭付近、ユーロ円は112円 50銭付近の高値をつけた。
ユーロ/ドルも2ヶ月ぶりの高値となる1.2700付近へ到達している。

 

9日は概ね動意にかける展開であったが、カナダ6月の雇用統計のサプライズ級の好結果をうけて、カナダが対主要通貨で一気に買い進まれ、ドルカナダは1.0425付近から1.0340付近まで急落した。
カナダは対ユーロでも買い進まれたが、市場では国内参院選を控えた週末に向けて、やや急となっていたユーロロングを解消する絶好の場面となり、ユーロ/ドルでは1.2600手前まで下落することとなった。

 

「ねじれ国会」は円にとって悪材料

週末の参院選では、与党民主党が過半数割れという結果となった。
再び生じた「ねじれ国会」は政策決定の迅速性を欠くと思われるため、円にとって好材料とは考えられない。
まずは円安方向への動きが中心となりそうである。先週の市場センチメントを考えても、市場は円ロングを解消しつつあり、今回の参院選の結果は絶好の材料となるはずである。
国内では14−15日に日銀金融政策決定会合が開かれ、政策金利(0.10%)の現状維持の継続が予想されている。
また、今回は4月にまとめた日銀展望レポートの中間評価が行われるが、6月調査日銀短観の改善を受けて、経済成長率や物価上昇率の見通しを引き上げる方向で検討しているのではないかとみられている。
今週は米国の経済指標も目白押しであるが、週前半は12日から14日にかけて予定されている総額690億ドルの米国債入札にも注目したい。
週後半には、15日に7月NY連銀製造業景気指数や7月フィラデルフィア連銀業況指数、16日に6月消費者物価指数(CPI)や7月ミシガン大学消費者信頼感指数が控えており、相場の読みを難しくしている。
まずは円安基調から相場を考えたいが、指標結果によっては方向感を失った目まぐるしい展開になるかもしれない。

 

EU諸国の銀行のストレステスト(健全性審査)の結果は23日に発表されることが明らかになった。
大手銀行のみならず、欧州圏の91行を対象にストレステストを実施すると見られており、欧州債務懸念が一旦後退している現在でも、その結果には注目があつまるであろう。
先週金曜日の動きをみてもユーロはやや買われすぎと見られている面があるため、ある程度ストレステストの内容が明らかになるまでは、ユーロは上値に慎重な展開となるのではないだろうか。

 

豪州では今週主要な経済指標は予定されていないが、6月豪雇用統計が予想以上に強い内容となったことで、追加利上げを想定した市場の動きに注目したい。
やはり雇用統計がサプライズとなったカナダドルでは、13日に5月加貿易収支が発表される。
カナダ買いが急伸しただけに、指標発表後の相場には注意したい。

 

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